uchiumi という名前について
uchiumi(内海)という名前は、抽象的な概念から決めたものではありません。
思い浮かんでいたのは、わたしの生まれ育った街の函館湾や、旅行で広島に行ったときに見た瀬戸内海の風景でした。
外洋ほど荒れず、かといって完全に閉じているわけでもない。
人の営みがあり、時間の流れがあり、行き来する船もあれば、しばらくとどまる船もある。
その、海のありかたが、このレーベルのありかたに、いちばん近いのではないかと感じました。
uchiumiは、遠くまで届くことよりも、一度入ってきたものが、無理なくとどまれる場所でありたいと考えています。
コンセプト
uchiumiは、一万人に刺さる本よりも、たった一人かもしれない読者の、特定の時間や状況に寄り添う本を目指すレーベルです。
商業の理論ではなく、必要とされる方が手を伸ばせば届くようなかたちでありたいと思っています。
非商業流通とは、「本屋で買えない」という意味ではありません。
流通の規模や回転率、即時的な評価を前提としない、本として出すことそのものの意味を、考えるための立場です。
自費出版ビジネスとも距離を置きたいと考えています。
このレーベルで「出す」という判断と責任は、すべて編集と制作の側が引き受けます。
その責任を引き受ける以上、著者の方にノルマや買取を求めることはありません。
読まれなくてもよい。すぐに理解されなくてもよい。
それでも、本というかたちにする意味があると判断したものを、責任を持って刊行します。
最初の1冊について
最初の1冊は、音無早矢、つまり編集責任者であるわたしの本です。
音無早矢 エッセイ集『ささやかな抵抗として』(リトルプレス uchiumi)
・四六判/並製本 148ページ
【構成】
・エッセイ 28編
・わたしの支えとなったブックリスト
最初の刊行物を自著としたのは、編集者・デザイナーとしての力量を、言葉だけではなく、実際のかたちとして示すためでもあります。
このレーベルで、編集、構成、デザインといった「本として成立させる」という判断を、わたしが引き受ける以上、まずはみずから示すべきと考えたからです。
その意思と覚悟として、受けとめていただければ幸いです。

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リトルプレス uchiumi は、Haya Typography Studio による出版レーベルです。